笠ヶ岳登山で一番頭を悩ますのが駐車場の確保になる。
おそらく土曜日の朝に深山荘近くの無料駐車場に車を停めることは出来ないだろうと思い、金曜日に休暇をとり金土の2日間で笠ヶ岳登山を計画したが、金曜日の朝7時過ぎにはすでに目的の登山者用無料駐車場は満車状態で、やむなく予備で考えていた下山口にあたる中原高原口にある駐車場まで戻り、ここでは正規の駐車スペースではなかったが、かろうじて車を駐車することが出来た。
ここから新穂高温泉へは路線バスが走っているため、この日は幸運にも少し待てばバスに乗れる時刻だったので結果的にはこれで良かったのかとも思う。
1日目(2013/9/20)
コースタイム(行動時間8時間35分) 単独
中原高原口の無料駐車場から路線バスで新穂高温泉のロープウエイ駅に到着し、早速、バスの駐車場の奥にある橋から蒲田川を渡る。
今日は天気も良く稜線の山並みがすばらしい。
林道を5分ほど歩くと、ゲートがありここで登山届けをポストに入れゲートを抜ける。
林道歩きも強い日差しの中を1時間ほど歩くと嫌気もさすが、ようやくこの笠新道登山口に着く。
ここにはパイプから勢いよく流れ出る水場があるので、この冷たい水で水分を補給し一息つく。
今日は登山道を登っているときに頻繁に上空にヘリが近づきうるさいことこの上なし。
稜線近くの岩場の崩落を防止するためか、岩場の上まで飛んできて液体を散布している。
登山道や周辺の笹の葉にはコールタールではないかと思われる黒い斑点が無数に付着していたので推測しただけだが・・
登山口から丁度1時間半で杓子平までの中間点の標高1970m地点に到着。
このあと、少し登って日影で昼食休憩とする。
9月も半ばを過ぎると登山道脇には秋の実りがたくさん見られる。
ゴゼンタチバナ、ナナカマド、シアラタマノキなどなど色とりどりです。
高度を上げるにつれ対面の穂高連邦が次第にその迫力を増し、また槍ヶ岳も徐々に目立つ存在になって来る。
笠新道の登山口から4時間10分でようやく杓子平を望む尾根の上に立つ。
ここに立つと前方の視界が大きく開け、右手の抜戸岳から目指す笠ヶ岳まで視野いっぱいにすばらしい展望が広がる。
笠ヶ岳はまだ大分遠い。
杓子平に入ってしばらく平坦な登りになるが、この付近にはこんなブルーベリーが沢山実っていました。
たまたま近くにいた人が教えてくれたので、少し口に含んで見ましたが、しっかりたブルーベリーでした。
杓子平を望む尾根に立ってから周辺の景色をたのしみながら登り、再び急な傾斜をこなしようやく抜戸岳直下の稜線上の笠新道分岐点に到着。
見た目以上に時間がかかり1時間50分かかってしまった。
稜線に立って笠ヶ岳を望むが、この時間になると逆光であまり写真にならないが山頂直下の笠ヶ岳山荘が確認できるだろうか。
そして、今までまったく見えなかった北に広がる展望の中に黒部五郎岳、中央の奥には薬師岳を望むことが出きた。
ここまで登ってくると正面に望む穂高の山並みが一段と大きくなる。
槍ヶ岳は横に控える小槍もはっきり確認できるようになった。
笠新道分岐から展望を楽しみながら歩くこと45分ほどで、抜戸岩を望む地点に着く。
笠ヶ岳山荘までのほぼ中間地点だ。
16:55分、笠ヶ岳山荘の下にあるテント場の中を抜け、ようやく山荘に到着。
17時前には小屋に入りたいと思っていたので、予定通りでした。
今日は、午前3時半に自宅を出てから長丁場で少々疲れが出たので、小屋に入ってからは外に出ないまま夕食の時間を迎え、そのまま食事。
丁度食事中が日の入りの時刻で、結局日没後に山荘前から明日の晴天を約束するような大きな満月を見て満足して一日を終える。
2日目(2013/9/21)
コースタイム(行動時間6時間10分) 単独
笠ヶ岳山荘前で穂高と槍ヶ岳の間の大キレット付近から昇る日の出を拝み、気持ちの良い気分で5時55分山頂へ向かう。
笠ヶ岳山荘から山頂へは一登りの距離だ。
ガレた平らな石が積み重なった登山道を15分ほど歩いて山頂に到着。
山頂には小さな祠もある。
山頂から遠くに白山も望める西側を見ると、笠ヶ岳の大きな影が出来ていました。
ここは南北に広がった長い山頂なのですが、遠くに見える影笠ヶ岳は見事な三角形になっています。
今日は、この山頂から南下しクリヤ谷を下りますが、南に続く尾根に刻まれた登山道には一切登山者の姿を確認することが出来ません。
山荘にいた大勢の登山者はほとんど新穂高に戻るのでしょうか。
山頂から40分ほどで、ハイマツで覆われた美しい山並みが目前に見える。
山腹に刻まれたトラバース道は、これからのルートが良くわかるし、風景にマッチし美しい。
この付近から山頂を確認すると、随分高度を下げてきたことが実感できる。
雷鳥岩を廻りこむと前面の視界が開けるので、改めて焼岳(左手)から乗鞍岳、そしてその右奥の御嶽を確認する。
焼岳はまだ登ったことが無いので、早めに登りたい山だ。
そして切れ落ちた谷の間からは、槍から穂高の展望もできる。
途中、展望の良い場所でお腹を満たし少し休憩したあと、登ってくる最初の登山者と出会った。その後も散発的に10人以上の人と出会ったが、いずれも割り合い若い男性の単独登山者でした。
やはりロングコースである、ここならではの光景か。
途中の小さな沢の流れの水場で一息入れ、単調な下りと沢の渡渉を2度こなし、最後の渡渉地点に到着。
ここが、最も水量が多いため、水かさが多いときは苦労しそうだが、今日は靴は濡れるものの問題なくクリアー。
沢の渡渉地点から35分でようやく槍見館の上にある登山口に到着。
そこから10分ほどで駐車場まで戻り2日間の登山を無事終了する。
2日目の行動時間6時間10分でした。
今日の温泉は近くにある水明館 佳留萱山荘の露天風呂(¥800.-)に立寄った。
ここの立ち寄り湯は混浴の露天風呂で、大自然の中にある大きな源泉たれ流しの湯は、天気の良い今日はのんびり過ごすことができ良かった。
正面の奥の山に新穂高ロープウェイが運行しているので、時折りゴンドラが行き交う様子もわかる。