待望の天上山登山は、熱海港から神津島へのジェットホイル船が季節運行されるゴールデンウイークにようやく実現した。
この季節は海が荒れることも多いので心配したが、この日は大波で少々揺れが大きかったものの何事も無く神津島の多幸湾に到着。本来は神津港に入港するのだが、荒天時には南東側に位置する多幸湾に変更されるようだ。
初日は天上山の登山を楽しみ、翌日は熱海行きの出航時間まで島内の観光を楽しむ充実の2日間です。
2013/4/27(土)
コースタイム(行動時間3時間20分) 単独
黒島登山口13:20-10合目13:55-千代池14:02-裏砂漠14:20-三宅島展望地14:30~14:40-不動池15:00
-天空の丘15:05-天上山15:20~15:25-白島登山口16:15-民宿丈栄丸16:40
ジェットホイル船は通常 海が荒れていなければ神津港に入港するのだが、今日は南西に位置する多幸湾に入るため東面の島の姿を見ることになった。
島の東側に入ってからはそれまで2階席まで時折り大波が押し寄せていたものが、島影では大分穏かな海になっている。
多幸湾には予定より15分ほど遅れて到着。
満席だった乗客の大半が大島で下船したため、この地に来た人は意外に少なく20~30名名程度だったろうか。釣り客が多い。
湾内はコバルトブルーで彩られたすばらしい海で、予想していなかった美しさに驚く。
迎えに来ていただいた民宿「丈栄丸」の女将さんにこの黒島登山口に送ってもらいました。
港から10分ほどでの到着です。
低木だけの明るい登山道を歩くこと35分で山頂台地を登りつめた10合目に到着。
ただ、始終西風に当たる斜面なので、風にあおられながらの登りだった。
目の前に黒島山(524m)がそびえているがここには向かわず反対側のオロシャの石塁から千代(せんだい)池に向かう。
10合目から10分もかからずこの千代池に着く。
池は火口跡に雨水がたまって出来たそうだが、涸れることはないのか苔むした湖畔は風もなく静かで落ち着ける場所だ。
千代池からは少し背の高い樹木の中を歩くが、次第に低木の明るい登山道になり、表砂漠と裏砂漠の分岐に到着。
分岐を右に折れ裏砂漠に向かうと、ほどなく眼下にこんな砂漠の景色が広がる。
登山道の両脇に石が置いてあるがガスで見通しが利かない時にはこの石がたよりになりそうだ。
今までも所々でオオシマツツジを見かけたが、砂漠の一角に咲くこのツツジはまた美しいものでした。
裏砂漠から始終砂地を歩き島の東端の三宅島の展望地に到着。
ここはベンチも置かれ東側からの風の影響も無いので目の前に広がる絶景をゆっくり楽しむことが出来る。
足元は切れ落ちた断崖で正に眼下に大海原が広がる景色はいつまで見ていても飽きない。
小さな島は釣り客がいたのか漁船が離れているところだった。
ただ、今日は遠方がかすんで三宅島や御蔵島はまったく確認できなかったのは残念だった。
表砂漠への分岐を過ぎて次の新東京百景展望地に到着。
ここからは伊豆諸島の式根島、その奥に横に広く見える新島とぼんやりとしているが左手にとがった利島もなんとか確認できた。
さらに少し進んでこの池の不動池に着く。
小さな鳥居と祠もある山上の池だ。
そして天空の丘に到着。
奥には天上山の頂と大海原、そしてもちろん伊豆諸島の島々も見える。
風がなければここでのんびりしたい所だが、強風にあおられて大変なので早々に先に進む。
天空の丘から15分で天上山山頂に到着。
でもこの山頂部は海からの風をまともに受け、立っていることも出来ないほどの強風で、写真はすべて座った状態で撮影しなければなりませんでした。
山頂から眼下に神津島港や前浜の海水浴場と町並みを見ることが出来ます。
逆光で綺麗な写真がとれませんが、ここからの景色も絶景です。
山頂での一時を過ごした後はいよいよ下山です。
ここが白島登山口への下山路で、道は綺麗に整備されており、周囲の景色をのんびり楽しみながら下ることが出来ます。
白鳥登山口に下山し天上山を振り返って写真です。
山頂から随分下ってきたようですが、ここまでおよそ山頂から50分でした。
最後に民宿までのんびり歩き16:40に「丈栄丸」に到着。
3時間20分のわずかな時間でしが、普通の山では味わえないすばらしい景色を堪能しらがらの山旅を楽しめた最高の1日となりました。
宿の夕食はさすが漁師の宿「丈栄丸」だけに1人分にしては大き過ぎるキンメダイのお刺身、そしてもう一匹は煮付けもありおいしく大満足でした。
2013/4/28(日)
この日も快晴のすばらしい天気です。
風も昨日より幾分おさまっており今日の方が登山日和ですが、今日は島内観光です。
船は今日も多幸湾からの出航でしょうという女将さんの話から、まず朝食前に神津島港から北側の海岸沿いの名所めぐりに出かけました。
宿に戻ったあとゆっくり朝食をいただきチェックアウト後、今度は南側の名所をめぐりながら多幸湾の乗船場に向かうという計画で充実の2日目を楽しみました。
朝食が7時半なので早朝5時45分に宿を出てまず前浜に行く。
今日は風はそう強くなく海も穏かな方だろうか。
沢尻河岸もで来ると額縁があったので、誰もいない海岸で遠慮なく撮影させていただきました。
道路から前方にすこし突き出た岩がある。
めっぽう美しい岩山からメッポー山といわれるようになったとされる岩山だが、その形から大亀岩とも呼ばれるようだ。
そしてこんな穴があいたブットーシ岩もあり面白い。
民宿からこの付近まで丁度1時間ほど歩きそろそろ戻らなければならない時間のためこの先でUターンとする。
帰りは海岸沿いの遊歩道などを歩き、めいし海岸にあるこの大岩を見学。
この岩にある渦巻き丈の模様は流紋岩と呼ばれ、溶岩が海中に押し出され冷却される時にこのような形になるということだ。
この辺りでは良く見るとあちこちでこの渦巻き模様をみることが出来る。
温泉保養センターを過ぎてトンネルをくぐるが、トンネル内から振り返った景色が最高でした。
民宿の近くまで戻って川に沢山のこいのぼりが泳いでいました。
もうすぐ5月ですね~
このあと民宿に7時40分に戻り2時間近い朝の観光散歩を終えました。
そして、ゆっくり朝食を済ませお世話になった丈栄丸さんを8時30分に出発。
多幸湾へは昨日あらかた歩き方を決めており、秩父山ハイキングコースにて秩父山に登ったあと松山遊歩道で展望を楽しみながら船着場に行くことにした。
宿から秩父山の登山口に行くまで村内の道は狭く曲がりくねっているので判りずらく、地元の人に尋ねなければならなかったが丁度30分で車道から右手に入る秩父山入口に到着することができた。
山頂に秩父観音巡礼所を偲んで、この秩父山に造られた霊場がある。
お堂の中には多くの伊観音菩薩があったが、お堂の横にはコノ字に囲まれた秩父三十四ケ寺の石像が並んでおり、一ヶ所で三十四札所にお参りすることができるということのようだ。
この地に古くからこのような霊場があるとは知らず驚く。
秩父山の山頂からも天上山は良く見えたが、山頂から車道に下る付近から見る天上山は多幸湾に接する山肌も確認でき一段と美しく見える。
車道を歩いていると今まで見えなかったすぐ下の三浦湾が目に飛び込んできた。
この湾内の水は驚くほどの透明な青さでその美しさは特に印象的でした。
奥が多幸湾になります。
松山遊歩道に入り更に岬の先端の長っ崎に向かう細い道があったのでのそこに入ってみると、右手に三浦湾に降りる道があったので少し下ったがこの辺りからの三浦湾はどこ見ても素晴らしい絶景が広がっており、いつまでもゆっくり見ていたい気持ちになる。
松山遊歩道の最後のビュースポットは多幸湾展望地から見る湾の姿だ。
手前の漁港と東海汽船の長い船着場の間にあるのが丸島で、この港のシンボルになっている。船の出港時刻12:25には充分余裕がある11:50前には船着場に到着。
宿から3時間20分ほどの行程だった。売店でお土産を買ったりしたあと、100mほど離れたところにある名水が湧く遊水地に行って美味しい水をいただきました。そして浜辺でこんなに綺麗な花にも出会いました。
名前は判りませんが、美しい花を愛でることができ楽しい2日間の旅を最後に締めてくれました。