日本二百名山でもある和名倉山は純然たる埼玉県の山だが、埼玉県側からの登山道が一般的ではないため山梨県の三之瀬を起点に登るのが普通である。
三之瀬から山頂往復の標準コースタイムが10時間なので、今回は神奈川の自宅を早朝4時に出発し、塩山・柳沢峠を経て三之瀬の登山口近くにある民宿みはらしに車を駐車し、6時50分に出発となった。
コースタイム(行動時間9時間10分) 単独
将監(しょうげん)峠登山口6:50-将監峠8:05-山ノ神土8:25-東仙波9:40~9:55-二瀬分岐11:20-和名倉山11:40~11:45-二瀬分岐12:03-東仙波13:42-山ノ神土14:50-牛王院(ごおういん)平登山口15:40-将監峠登山口16:00
民宿みはらしのすぐ下にあるこの将監峠登山口を6時50分にスタート。
今日はいままで行ったことがない将監峠を経てから牛王院平へ向かうつもりだ。
登山口から15分弱で牛王院平へ向かう登山口を確認したあと、気持ちの良い林道を景色を楽しみながら登って行く。
将監小屋はまだ未営業と思われるので少し手前から左手の登山道に入り小屋を右眼下に確認し、さらに5分ほど歩いて将監峠に到着。
ここは広くて明るく気持良い峠だ。
ここで一息入れ山ノ神土へ向かう。
将監峠から牛王院平を経て唐松尾山への分岐になっている 山ノ神土には20分ほどで到着。
今日は先が長いため、ここも休まず通過する。
山腹を巻くように歩いていくと次第に前方の稜線が望めるようになり笹原で覆われた小さなピークが綺麗に見える。
そしてそのピークに向かう途中で振り返ると辿って来た山腹の道と奥には富士の雄姿が美しく姿を見せてくれている。
西仙波に至るまでは稜線の西側を巻くルートが何箇所かあるが、4月半ばでもあるのでまだ残雪もだいぶ残っており、滑りやすい凍った雪面をトラバースしなければならないような場所もあるので注意を要する。
そしてこの西仙波の標識が稜線を歩いていると突然現れ、想定外の印象でしたがここで改めて現在地の確認ができありがたい。
西仙波から見晴しの良い稜線を景色を楽しみながら歩くこと20分ほどで東仙波の頂に着く。
ここからルートは北側の尾根を下ることになるが、その前にここで南側に広がるすばらしい景色を楽しみながら少々早い昼食とする。
正面に見える富士は幾分鮮明さは薄れてはいるが、まだ美しい姿を見せてくれている。
富士のすぐ手前左に見えるのが大菩薩嶺の山なみだ。
15分ほどの休憩中に昼食を済ませて北側の斜面を下り始めるが、最初は完全に凍結したアイスバーン状の雪面の下りとなるので慎重にくだる。踏み跡も薄いのでルートも判りずらい。
下り始めてすぐ今日始めての登山者とすれ違う。
早くももう山頂に登った帰りだというのでびっくりだ。他にもう1人登山者がいると云う話だ。
東仙波から15分ほどすると前方奥に目指す和名倉山が確認できた。
まだだいぶ距離がありそうだ。
季節がら登山道に多くの枯れ枝が落ちており、ややもすると登山道を見失いがちになるので、登山道整備の気持ちもあり枝を払ったり大きな枝を退けたりしながら道をたどる。
時々赤マーキングテープが確認できず探すこともあるが、この時期は木々の芽ぶき前なので比較的簡単に見つけることが出来る。
二瀬分岐の少し手前で今日2人目の登山者と出会い、ほどなく二瀬分岐に到着。東仙波から1時間25分での到着だ。
そして山腹に刻まれた登山道をたどって行くとほどなく山肌があらわになった千代蔵ノ休場の開けた空間に出る。
そして分岐から20分で和名倉山山頂に到着。
山頂は深い林の中なので全く展望は得られない。
三角点が設置されている山頂部の小さな空間だけ木が払われた場所だ。
ここで5分ほど休憩したあと早速下山とする。
東仙波の一つ手前のピークまで戻った辺りで東仙波から派生する尾根上のガバアノ頭の左奥に3年前に訪れた飛龍山(中央)と雲取山(左)の姿を確認。
この景色が素晴らしかったので、急遽ここで景色をながめながら少し休憩とする。
東仙波まで戻り朝には確認できていた富士山はほとんど見えなくなっている。
これから戻る稜線の奥に北斜面に残雪が見られる唐松尾山の山なみが広がっているが、あの山塊の左端が山ノ神土になる。
その山ノ神土に14:50到着。
ここまで下ってくるとやはり登山者は多く、すぐに単独の登山者2名と出会う。
山ノ神土から牛王院平を経て三ノ瀬に向かう七ツ石尾根の下りに入ると、4年前の唐松尾山登山の時にはなかった鹿除けの防護柵が設置されていた。
この柵は扉がポールのみの簡単なもので開け閉めは扉のポールを支柱ポールにくくり付けるだけのものであるため少し手間がかかる。
山ノ神土から丁度1時間で登山口である林道に合流し、そのあと林道を20分歩き駐車した民宿みはらしに到着。
都合9時間10分の山歩きでした。
今日の温泉はまた大菩薩の湯だ。
のんびり湯につかりまだ明るいうちに帰路につくことが出来た。