今回はJR新蒲原駅から改めて蒲原宿を見学したあと、由比宿に入り東海道広重美術館を見学して薩埵峠から興津宿そして清水駅まで歩く旅だ。
小田原から1時間15分ほどで新蒲原に到着。
駅前の綺麗なトイレで用を足し、9時に出発。
まずは、前回見落とした広重の蒲原「夜之雪」のレリープがある碑(左)を見学。
ちなみに名作と云われる「夜之雪」はこれだが、確かに雪の中に描かれる旅人の様子などと相まっての雪景色が見事だ。
蒲原の街道沿いにはこんななまこ壁の家も見られる。
この家は昭和まで続いた和菓子屋さんだったそうだ。
宿のはずれまでこんな昔ながらの家並もある。
蒲原の駅を過ぎ30分ほどで由比宿の東の入口に到着する。
ご覧のように宿場の出入り口は折れ曲がっている。
これは万一の攻撃を防ぐなどの治安維持とともに、宿の出入り口の道標にするために意図的に枡形に折れ曲がり木戸を作ったためということだ。今は斜めに広げられているが、当初は完全なクランク状だったのでしょう。
お城だけではなく宿場でもこのようにしていたとは思わなかった。
東海道広重美術館(一般500円)は写真の由比本陣公園内にある。
美術館の内部は浮世絵師・歌川広重(1797-1858)の原画もありガラス越しではあるがジックリ広重の版画を観察することができた。
予想以上に緻密な細かい線で表現された絵には改めて驚かされた。
また、工程ごとの刷りの見本などもあり興味深く見学させて頂いた。
由比の街道沿いには桜えびを販売するお店も多くあるため途中の魚店で土産に冷凍の生桜えびを購入した。
由比の駅前までくると桜えびの町を象徴する飾りもある。
由比から「間の宿 倉沢」に入るとここにも古い家並みが見られる。
これだけの規模で残っているのは驚きである。
また、この付近の街道沿いはみかんの無人販売スタンドも多く、私も4個入りのいよかんを100円で購入。(みずみずしくてお買い得でした)
丁度お昼時でもあるため倉沢にある地元の有名店「くらさわや」で桜えびかき揚げ丼(左 1,575円)を頂く。
桜えびたっぷりのかき揚げは美味しかったです。
望嶽亭のある角から薩埵峠への登り道になる。
両側はミカン畠で収穫作業の人もちらほら見られる。
薩埵峠からの眺めはご覧の通りで本来見えるはずの富士山が春がすみで確認するのがやっとと云う状況。
晴れ予報の日だったのでここからの景色を楽しみにしていたのに・・・残念。
興津川を越え興津宿に入ると宿の構成を示す案内板があった。
見るとここにある旅籠の数が24箇所もあったようなので、意外と大きな宿場だったようで驚く。
宿の西の外れに清見寺がある。
徳川家康ゆかりの寺として家康手植えの臥龍梅がある庭園や五百羅漢で有名な寺。
その五百羅漢は釈迦如来のお弟子で仏典の編集護持に功績のあった方々と云うことで、裏山に向かって石像が設置されている。
大正時代の政治家西園寺公望公の別邸を復元した坐漁荘が一般公開されているので見学させていただいた。
左は坐漁荘の庭の風景だが、ここから見た景色が庭に展示されていたものが下の写真だ。目の前が海岸線だった当時は、今と隔世の感がある。
今日最後の写真は細井の松原。慶長9年(1604年)に二代将軍徳川秀忠が街道の両側に松を植えさせたものだそうだ。(元禄の検地で総数は1106本だったという)
第二次大戦で松根油(航空機燃料)の見料として伐採され今はその跡もないが、この松は平成4年に植樹されたもの。
この後は、清水駅で追分羊かんを買って帰路につく。
今回は東海道で最も風光明媚な薩多峠を通るため晴天の日を選んで臨んだものであったが、あいにく晴れてはいるものの典型的な春霞みのため、峠からの絶景は拝めなかったのは心残りではあったが昔の面影を楽しめた旅でした。
今回の歩行距離21.3Km、所要時間は昼食時間を除いて7時間20分の旅でした。
次へ