歩き旅の初日は民宿千倉にお世話になり、夕食にはオーナー手作りの蕎麦や、山と採れた平茸などもお裾分けしていただき、おいしく頂かせていただきました。
そして、2日目の今日はゆっくりと朝食をいただき8時過ぎに藪原宿に向け出発です。
民宿千倉から30分ほど歩くと本山宿の中心部となり、川口屋、池田屋と屋号を掲げた家並が続く昔の面影を色濃く感じさせる街道になります。
今は看板のみですが、本山宿の脇本陣と上問屋を兼ねた屋敷がここにあったようです。
奈良井川支流の桜沢があり、この沢が北の松本藩と南の尾張藩との境となっていたようで、隣の説明文には、この「是より南木曽路」の碑は桜沢の集落に住んでいた百瀬栄氏によって、この地に昭和15年に建立されたとある。
表に「是より南 木曽路」、裏には「歌ニ絵ニ其ノ名ヲ知ラレタル、木曽路ハコノ桜沢ヨリ神坂ニ至ル南二十余里ナリ」と刻まれている。
贄川に向かって国道19号(中山道)を歩きます。
気温は-2℃と表示されていますが、一生懸命歩いているせいか体感的にはそう寒さを感じません。
贄川駅を過ぎるとすぐに、昭和51年に古図をもとに復元されたという贄川関がある。
福島関の補助的な関所として設けられ、1869年(明治2年)に関所が廃止されるまで、その役割を果たしてきた関所で現在は関所関連の資料が展示公開されているということだが、今日は年末のため休館です。
19号線から西側に少し入ると、長野県の天然記念物に指定されているトチの巨木があります。
推定樹齢1000年と言われるこの巨木の前に立つと非常な生命力を感じますし、信じられない時間を見守ってきたことを思うと圧倒されます。
木曾平沢の町中に入ると、漆器店が軒を並べています。
ここ木曾平沢は奈良井宿の枝郷として、檜物細工や漆器などの生産で生計を立ててきましたが、近世後期には「平沢塗物」の名で流通するようになり、現在では日本有数の漆器生産地となっているという。
立ち並ぶ漆器店が美しい町並みを作っています。
奈良井川を渡り奈良井駅に到着です。
この先の鳥居峠越えを控え、当初はここで歩き旅を終えることも考えましたが、今日はその鳥居峠を越え次の薮原宿まで向かいます。
奈良井宿は中山道67宿中、江戸側の板橋宿から数えて34番目、京側の守山宿から数えても34番目で、丁度中山道のどまん中の宿場町なので、「中山道六十九次どまん中」ののぼりを掲げアピールしています。
奈良井宿の家並みは、約1Kmにわたって歴史的な家々が立ち並び、往時の面影を色濃く残している宿場で、昭和53年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
年末のこの日は人通りは少なく美し町並みの景観を楽しみながらゆっくり歩くことができました。
現在の街道沿いは土産物屋や蕎麦屋さん食事処などが立ち並んでいますが、今日は休みのお店もあり、静かな雰囲気です。
奈良井宿を出て少し登ったあと、いよいよ木曽路最大の難所といわれた鳥居峠(1197m)へ向かう山道に入ります。
この地点の標高がおよそ1020mなので、ここから標高差180mの登りになります。
そして山道を緩やかに登る道を50分ほど歩いて、鳥居峠の最高所「峠の茶屋」に到着。
ここにあるトイレも冬季は凍結のため使用禁止になっています。
峠の茶屋から100mほど進むと、道が4方向に別れて分かりずらかったが、ここで地図を確認してから写真の「円山公園・御嶽神社・薮原駅への遊歩道」の案内標識に従い、奥に設置してあった「熊除けの鐘」を鳴らしてから再び歩き始める。
ここが鳥居峠の少し先にある御嶽神社です。
鳥居峠は、木曽地方を治めていた木曽義元がこの峠の頂上で木曽御嶽山を遥拝して戦勝祈願を行い、勝利を収めたことからこの地に鳥居を建てたことに由来し、鳥居峠と呼ぶようになったといわれています。
この神社の左手にある石仏群の奥に入ると、遠方に御嶽山と思しき山を確認できました。
山道から下って周辺に民家が見られるようになると街道脇に「原町清水」の水場がありました。
昔から旅人が喉をうるおした水という水場で、私もこの水で喉をうるおしました。
薮原宿は過去に何度も大火災が発生し、その都度大きな被害を受けたことから土壁の防火壁をつくりましたが、現在はその壁は無くなりましたが、当時の土盛と石垣の一部が残っています。
藪原宿では何といっても「お六櫛」が有名です。
木曽路の土産物の1つとして名声をあげ現在でも製造販売している店があるということですが、写真は卸問屋の「山六篠原商店」で歴史の重みを感じさせる風格ある立派な店構えです。
今日は計画では薮原駅発16時44分の電車で塩尻に向かう予定でしたが、思いのほか早く駅に到着したので、予定した電車より1本早い電車に乗ることができ、「あずさ」も一本前の電車に乗ることができ、予定より早く自宅に戻ることができました。
今日の歩き旅はGPSログ記録で25.3Km、7時間43分の旅になりました。
次回はこの薮原駅からのスタートになります。