秋分の日を含めた3連休は本来泊りがけで山に入りたかったが、2週間前の鶏冠山登山後に足の親指の爪が浮いてしまい、今回はハードな山歩きを避け日帰りで楽しめるこの御嶽山登山とした。
しかもロープウェイが標高2150mまで運んでくれる黒沢口登山コースを楽しむもので、下山コースは状況を見て決めるつもりだったが、結局三ノ池まで足を伸ばす周遊コースとした。
コースタイム(行動時間7時間15分) 単独
御岳ロープウェイ飯森高原駅8:45-7合目 行場小屋8:55-8合目 女人堂9:35-9合目 覚明堂 10:45~10:55-御嶽山 剣ヶ峰山頂11:20~11:50-36童子の塔 12:35-サイノ河原避難小屋13:10-三ノ池避難小屋13:50-8合目 女人堂15:10~15:15-御岳ロープウェイ飯森高原駅16:00
御岳ブルーラインで鹿ノ瀬温泉を過ぎると御嶽山の山塊が正面に広がってすばらしい展望を提供してくれる。
今日は東名御殿場ICを降りたあと、山梨県に入る辺りから雨が降り出し心配したが、ここまで来ると快晴の天気で車から降りると高原のすがすがしい空気が気持ち良い。
御岳ロープウェイ鹿ノ瀬駅の広い駐車場はすでに多くの車で埋っているが、人の姿はまばらだ。
これは6時からの運転開始で、数分置きに出るゴンドラで待つことも無く順次運ばれていくためのようだ。
標高2150mの飯森高原まで標高差570mを15分ほどで一気に運んでくれるその恩恵に浸りながら景色を眺めるが、次第に穏やかざる雲がかかり始め気がかりだ。
少し高度を上げてくると右手に乗鞍岳の山塊が見えてきた。
すばらしいその景色をもう少し眺めていたいが・・・・。
飯森高原駅に降り立つと前に高山植物園があるが、見学は帰りにのんびりするつもりだ。
8時45分準備を整え、まずは登山道の7合目行場小屋へ向かう。
行場小屋へは10分ほどで着いたが、丁度物資を運ぶためのヘリが小屋横の上空に飛来した。
近くに来ると物凄い音と風圧だ。
ヘリはその後も、各小屋への往復があり、一日中頻繁に飛び交い静寂を破る状況にその都度少し興醒めする思いをする。
登山道は歴史を感じさせる古い木材で造られており、しばらくはこんな道を登って行く。
御嶽の登山道で、この黒沢口からの道が最も古く1785年に覚明上人によって開かれたというから、実に200年以上もの歴史を持つ道ということになる。
7合目から8合目 女人堂までは40分ほどで到着。
残念ながらガスがかかり周囲は余り展望できない。
右方向は三ノ池へのルートだ。
(下山時は三ノ池からこの地点に合流した)
8合目付近から森林限界となり石室山荘が見える辺りまで来ると紅葉が見られたが、この付近から上部は余り紅葉している樹木がなく、やはりもう少し待たないと紅葉は望めないか。
9合目の覚明堂まで登って来ると少しだが上空に晴間が広がった。
ここで10分ほど休み、少し腹ごしらえ。
覚明堂から少し登ると稜線に上がり、眼下にコバルトブルーの二ノ池を望むことが出来た。
奥には摩利支天山の山稜も見える。
剣ヶ峰の山頂も姿を現し、近くに建つ山荘も確認できる。
御嶽神社奥社への階段を登るとそこが神社奥社がある御嶽山の剣ヶ峰山頂だ。
ロープウェイ駅から2時間35分で到着。
ここは大勢の人達が休憩中だったが、たまたま人が途切れこのカットを撮影。
眼下に二ノ池も見える。
神社でお参りをしたあと、風が避けられる場所で昼食休憩。
下山は神社の横手から裏に回りこむが、南側には地獄谷から吹き上がる噴煙が確認できる。時折り硫黄臭もする。
たまたま近くにいた年配の人と話をしたら、ここから見る噴煙は昔はもっと多くの場所から噴出していたそうだ。
神社の裏手から見ると、カルデラの東側が切れている様子が良くわかるがこの一ノ池はこの地形のため水が貯まることは無いそうだ。
一ノ池の外輪のコースに入ると登山者はごく少数となり、稜線に見える人の数はまばらだ。
沢山の童子の石碑を確認しながら、剣ヶ峰の対面にあった36童子の塔まで来て剣ヶ峰の山頂を臨む。
36童子の塔から二ノ池新館の前を通り沢山の石積みがあるサイの河原を抜け避難小屋へ向かう。
サイの河原から少し登ると避難小屋がある稜線に到着する。
ここで初めて眼下に三ノ池が姿を現す。
幾分雲に隠れ気味だが、素晴らしい景色を少しの間堪能。
サイの河原避難小屋から三ノ池に下るには稜線から右手に下りる道があるはずだが、左の写真の目立たない表示しかなかったため、これに気付かず5分ほど先に進んで引き返してこの標識を確認。
分岐は地図より随分下にあった。
三ノ池避難小屋まで下ったあと8合目女人堂までのトラバースルートに入る。
山腹に延々と刻まれた登山道が良くわかる。
三ノ池避難小屋から20分ほど歩くと、急な斜面に設けられた木製の階段や桟道が現われ、今までに無い山の趣きに変化してきた。
これはこれで、また楽しい。
ここで、こんな渡渉をするとは思ってもいなかった。
長いトラバース道にはこんなあぶなそうな桟道も待ち受けているが、とにかく変化に富んだ楽しめるルートだ。
もう1週間遅ければこのコースはすっかり秋の装いに変化し、更に楽しめたと思うが・・・
8合目女人堂で小休止の後、35分ほどでロープウェイ飯森公園に到着。
すぐ上にある高山植物園に立寄り、花は咲いていないが庭園を一通り見て回ったあと駅に到着。
最終の出発時刻16:30分には余裕の16時丁度の帰着だった。
今日の温泉は来る途中にあったホテル木曽温泉だ。
この温泉は茶褐色で鉄分を多く含んだお湯で、匂いを嗅ぐと鉄が酸化した独特の匂いがする。
檜の露天風呂もあったが冷え込んだ今日は湯がぬる過ぎて温まることが出来ないので、早々に内湯に戻り再び体を温め直し、少しのんびりして帰路につく。
今日は来るときは、篭坂峠を越える138号が台風の影響で通行止めとなっており、須走から高速に乗ったが、帰路は河口湖でガソリンを給油した際、店員に138号の通行止めを確認したら、多分大丈夫でしょうといわれたため一般道で篭坂峠まで行ったものの峠に検問があり結局山中湖ICまで引き返し、改めて高速で須走ICまで移動。
しかも、2日前の台風15号の豪雨は138号線だけでは無く、246号にも大きな影響を与えたようで、ここも通行止めとなっていた。こちらは近くを走る県道を抜け迂回しながら246に戻ることが出来たが、狭い道に大型車も通るため大幅に時間がかかり結局自宅に着いたのは10時を過ぎての帰宅となって早朝4時過ぎから17時間の旅になってしまった。