室堂から立山へ登り、別山乗越を経て剣山荘へ
翌日、剣岳をピストンし別山乗越しから新室堂乗越を経て室堂へ下る1泊2日の山旅
地図はGPSデータをGoogle Earthに乗せて表示させたもの
2010/9/10(金) コースタイム (行動時間 6時間40分)単独 扇沢駅7:30-室堂9:10~9:20-一ノ越山荘10:15-雄山神社11:15~12:05-大汝山12:25-真砂岳13:35-別山14:25~14:35-別山乗越(剣御前小舎)15:00-剣山荘16:00
扇沢の無料駐車場は平日であっても上段の第2駐車場は一杯だったので、第3駐車場の空スペースに車を停めトロリーバス乗場へ向かう。 8800.-で室堂までの往復チケットを購入し7時30分発のバスでまず黒部ダムに行くが、その先は始発の予定時刻まで1時間以上もあるのでのんびりダムの展望台まで登ることにした。 220段もの階段を息を切らせて登り展望台に出るとダムから放出される2筋の迫力ある流れが目前に迫り、見事だ。 黒部ダム駅までダム堰堤の上を15分ほど歩いて移動すると、8時30分発のはずであったケーブルカーが、ほとんど待ち時間なく8時10分発の臨時便にて黒部平へと向かうことが出来た。 どうやら、客の数で随時臨時運行し対応するシズテムのようだ。 待ち時間を利用して屋上の展望デッキに行き、正面の立山やトンネルでくぐってきた赤沢岳から針ノ木岳の展望を楽しむ。 ロープウエイで大観峰まで昇り、最後にトロリーバスで室堂に9時10分到着。 予定していた時刻より40分ほど早く着くことが出来た。 前回1991年の立山登山では曇り空で、ほとんど展望が得られなかったが、今日は申し分ない天気だ。 支度を済ませ早速 雄山を目指す。 歩き始めて30分ほどで小休止。 振り返ると室堂平の奥の大日岳がその美しい姿を見せている。 雄山の山頂ももう目前だ。 小学生の集団登山のグループもいる。
黒部平駅に着くと、ここでも次の臨時便は8時35分発とのアナウンスがあった。
雄山への稜線に取り付いて30分。
一ノ越の反対側の浄土山の山並みに目をやると龍王岳が一際目を引く。
奥大日岳の山塊とミクリガ池や地獄谷の箱庭のような景色が眼下に広がり見事な景観となっている。
3003mの山頂には雄山神社の祠がある。
ここまで来たので神社のある3003m地点の地を踏まない訳にはいかないので、500円を払って山頂の神社で御祓いを受ける。
御祓いの時間待ちなどで少し予定外の時間がかかってしまったため、昼食を手早く済ませ大汝山へ向かう。
雄山から先は今までの喧騒と違い行き交う人も殆どなく、静かな山旅となる。
午後に入りだんだん視界が利かなくなってきたが、途中ガスの切れ目から黒部湖をが眼下に見ることができた。
今回の山旅で最高峰となる大汝山(3015m)に着いたときにはすっかりガスの中で展望は全く得られなくなった。
大汝山から富士ノ折立を過ぎ内蔵助カールの上部で幸いにも少し視界が開けカールの様子を伺うことが出来た。
近くでホシガラスの姿を見かける。
予定では別山の北峰まで足を伸ばすつもりだったが、本来見えるはずの剣岳どころか、近くの視界もままならない状況だったので、パスをすることにした。
10分ほどの休憩のあと、別山乗越方面へ下山にかかったが、剱沢小屋への分岐を探しながら稜線を下ったが、結局確認できなかったため、急遽 剱御前小屋経由で剣山荘へ行くことにした。
小屋着15:00。別山から25分だった。
剱御前小屋からは剱御前の山腹を緩く下るもので、9月に入ってもまだ色々な高山植物を楽しむことが出来た。
クモマグサ ミヤマアキノキリンソウ チングルマのワタゲ
ウサギギク ヨツバシオガマ イワギキョウ
また、雷鳥にも会うことができました。
剣山荘には16時丁度、剱御前小屋のある別山乗越から丁度1時間だった。
今日は金曜日でもあり、宿泊する人は定員の半分位なのか部屋の布団は一つおきに敷いてあるようだった。
2010/9/11(土)
コースタイム (行動時間 10時間)
剣山荘4:50-一服剱5:20~5:25-前剱6:15-剱岳7:40~8:05-前剱9:15:15~9:20-一服剱10:00~10:10-くろゆりのコル10:30-剱御前小舎12:10~12:20-新室堂乗越13:05~13:10-雷鳥荘14:05-室堂14:50
剣山荘を夜明け前の4時50分に出発し、ヘッドランプの明かりをたよりに登り始めおよそ30分で一服剱の頂きに立つ。
丁度、日の出の時刻で少しづつ明るくなっているのだが、山の特定はむずかしい・・・・
一服剱から前剱への登り斜面でまた雷鳥達と出会った。
今日は親鳥と ひな合わせて5羽との出会いで、少しの間 傍で愛くるしい姿を観察し楽しませてもらった。
前剱の上部になり急傾斜だが、岩峰もしっかりしたものとなる。
前剱の頂きに立つって前方に剣岳の雄々しい姿が目に飛び込んでくる。
剣山荘から1時間25分ほどだ。
そして間もなくこの付近から登り専用のルートに入る
足元のステップはしっかりしているが、慎重に鎖場を通過する。
下を見ると深く切れた谷が広がっており、恐怖心が沸いてくるので余り覗かない方が懸命だ。
平蔵ノ頭付近になると、この岩稜を登らねばならない。
早速、こんな岩場が待ち受ける。
岩に打ち込まれたボルトを足がかり、手掛かりにしながら、鎖を頼りに慎重に進む。
今日は、登山者の列もなくマイペースで登れるのがなによりだ。
通過してきたルートを振り返ると、すごい岩稜に取り付く登山者の姿がある。
剣山荘から2時間50分、念願の山頂に立つ。
Vサインが手袋の中で見えないが・・・
山頂からはすばらしい展望だ。
中央の立山三山、右手の薬師岳の山塊などすばらしい。
北側には鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、白馬岳と後立山の山並みが続く。
そして富士山の姿もはっきり確認できる。(望遠)
いつまで見ていても飽きないが、15分ほど景色を楽しみ簡単な朝食を済ませ下山とする。
下りも一層、慎重に下る。
下山路に設置してある長いアルミのハシゴを下り、カニの横ばいなど難所を無事通過。
剱沢の上部のカール状の台地に点在する小屋や剱御前(正面)へ続く稜線が手に取るように分かる。
帰路は手前の一服剱のピークから剣山荘には下らず、右手の稜線上を下山し、くろゆりのコルから別山乗越へのルートをとる予定だ。
一服剱でも小休止したあとくろゆりのコルまで下山し、剱岳を振り返る。
一服剱からの稜線のルートは殆ど人が通らないのかハイマツの枝が張出してルートが確認できない部分が多くあまりお勧めできない。
くろゆりのコルから1時間ほどの雪渓を越えた付近で昼食休憩とする。
ここから眺める剱岳はまた格別だ。
別山乗越の剱御前小舎まで来るとようやく賽の河原から地獄谷の景色を一望できる。
ここからは雷鳥坂ではなく新室堂乗越を経て賽の河原へ下る。
途中、新室堂乗越に至る登山道でも多くの高山植物と出会えました。
シラタマノキ タテヤマリンドウ ナナカマドの果実 イワイチョウ
雷鳥沢のキャンプ場まで下ったあと、雷鳥荘の横を抜けミクリガ池まで再び高度差約140mほどを登らなければならなかったが、疲れた体には少々応えた。
早朝の登山開始から丁度10時間を要し2日間の山旅を無事終えることが出来た。
写真は立山玉殿の湧水場で、最後にこの水場の冷たい湧き水で喉を潤す。
帰路は室堂15:15発のトロリーバスで大観峰へ向かい、そして黒部平までのロープウエイで立山を離れる。
扇沢から帰路につくが、近場の日帰り温泉として選んだのが写真の「ゆーぷる木崎湖」。
普通の弱アルカリ温泉の湯で、大きな特徴はないが、のんびりくつろぐには良い温泉だ。