山梨百名山の難関の一つと言われている鶏冠山(とさかやま)2,115mに挑むことにし、ネットでそのルートを確認しようとしても、ネット上に掲載されているものにも色々なルートが報告されていて、正直何が正しいのか理解できない状態だったが、実際に行ってルート自体は基本的には一つで有ることが確認出来た。
ルート上に地名を表す道標が無いため現在地の特定が出来ず間違いを起こし易い状況ななっているものと思われ、また、山梨百名山の標柱が設置してあるピークが第3岩峰の2,020mであるものを、2,115mと誤認していることも要因になっていると思われる。
コースタイム(行動時間8時間50分) 単独
西沢渓谷駐車場7:00-東沢入口7:35-鶏冠谷出合7:45~7:55-第1岩峰基部9:15~9:25-チンネのコル9:50-第1岩峰10:20-第3岩峰基部11:05-第3岩峰ピーク(山梨百名山標柱)11:25~11:45-鶏冠山(2,115m)12:15~12:25-第3岩峰基部12:55-チンネのコル13:45~13:53-鶏冠谷出合14:50~15:05-西沢渓谷駐車場15:50
下の地図に載せたGPSデータは煩雑になるため往路のみとしました。
手早く支度を済ませ7時丁度に出発。
今日は快晴で予想外の好天気だ。
駐車場から30分で、二俣の吊橋だ。
目指す鶏冠山の山塊が正面に見える。
その吊橋から数分の所に鶏冠山への入口がある。
ここは2006年に訪れたときには入山禁止で閉鎖されていたが、2009年の黒金山登山の際に通ったときには東沢へのルートに鶏冠山の案内板がすでに設置されていた。
東沢の右岸の登山道を10分ほど歩くと、沢をへつるように設けられた登山道は川原に降りたところで消滅する。
ここが丁度、鶏冠谷の出合で、対岸に鶏冠谷の沢の流れがある。
早速、登山靴をサンダルに履き替え沢を渡る。
水かさは膝下ぐらいだが、流れは急で思わず慎重になる。
靴を履きなおして鶏冠山への登山道に入るが、登山道は鶏冠谷を数十メートル遡った左手のある。
水量が多く、飛び石をしながら岩伝いに進む。
7時55分案内板に導かれ登山道に入る。
登り始めて1時間ほどは普通の登山道であったが、次第に急傾斜となり、こんなトラロープが設置された直角に近い登りがいくつか待ち受けていた。
ロープは使わずに木の根などを頼りに登ったが、ロープがあると安心感はある。
登山口から1時間20分ほどで第1岩峰の基部と思われる(標高1700m程度)展望が開けた地点に到着。
ここで、正面の黒金山を見ながら小休止。
ここから大きな岩峰を左に巻くルートになるが、すぐ横には古いカンバンもある。
基部からの巻き道は尾根上と違い荒れ気味で、倒木、アップダウンありマーキングテープを確認をしながら進む。ガレ場を横切った後は再びトラロープが設置された急登をこなし、コルに到着。(写真は少し登ってコルを上から写したもの)
風通しが良く、帰路はここで心地よい風に吹かれながら休息した。
このコルにはチンネのコルとネーミングされた小さな標識があったので、その名前を使わせていただく。
コルから再び急登が続き、10:20 ようやく第1岩峰まで登り詰める。
出合の登山口から2時間20分だった。
ここまで来ると黒金山(右の三角ピーク)の左端ピークの上に富士山の姿も確認できる。
眼下には駐車場の上をまたぐループ橋から、よく見ると吊橋も見える。
そして、第1岩峰から上部へはいきなり見事な岩峰が待ち構えてた。
ここが第2岩峰なのかどうかは判らないが、中央部に新しいステンレスの鎖が設置されている。
登攀は、左手のルートがホールドが多く鎖なしでも問題なく登れる。(下りは、鎖を頼りに楽させてもらった)
岩峰の上に立つと今までの風景と一変し、ゴツゴツした岩が続く稜線となる。
奥に見える岩峰が山梨百名山の標柱がある2,020mのピークだ。
この付近からも一層すばらしい展望が得られる。
西側には国師ヶ岳がどっしりと居座っている感じだ。
岩稜の上をルートを確認しながら5分ほど歩くと、再び鎖とザイルが併設された岩峰が立ちふさがる。
ここも鎖に頼らなくても登れる。
目的の2,020mピークは今まで確認できなかったが、目前に巨大な岩が立ちふさがっている。
この岩が第3岩峰だ。
岩稜を歩いていると、一角に幾つかのイワインチンのかわいい花を見つけた。
鮮やかな黄色が印象的だった。
花を撮影した後すぐに、ネットにも記載があった丸太に滑り止めの布が巻きつけられた岩場です。
たしかに丸太に体重をかけて登るときに、布が無いと滑りそうです。特に、濡れていると手ごわそうです。
そして、行く手を阻まれたこの場所ですが、この部分の上部の開けた場所に向かって登っていくのが正式ルートですが、高みにある赤テープが色あせてその存在を確認出来なかったために、左側を探したり右を探したり、ルートが無いので、少し戻って改めて左右にルートが無いかを確認に行ったりし、再びここに戻り、改めてここを登って見ると途中で赤テープに気付きほっとする。
殆ど判別できなかったために赤テープは改めて新しいテープを取り付け下から確認できるようにした。
そして、いよいよ最後の岩峰「第3岩峰」の直下に立つ。下の方の見える範囲だけ見ると登れそうな気もしたが、ここは案内板に従い右手の迂回路に入る。
迂回路に入って初めは明確だったルートも次第に心もとないものとなり、赤テープもほとんど無かったため案の定ルートを間違えて少し下がり過ぎてしまった。再び明確な踏み跡の場所まで戻り、改めて上部にルートを確認し修正する。
この部分にも改めて、赤テープを設置させてもらった。
迂回路を稜線に登り詰めた後、少し戻ってようやく2,020mピークに到着。
出合の登山口から3時間30分だった。
ここでのんびり昼食とし、周囲の景色を見ながら山頂を独り占め。
今日の最終目的地は国土地理院の地図にもある鶏冠山2,115mのピークだ。20分ほど休憩したのち、再び上を目指す。
鶏冠山までは今までのすっきりした岩稜と打って変って、シャクナゲの茂るうっとうしい山道となる。しかも、登山道に張出した枝にくもの巣が多く、これを払いながら30分ほど登って目的の鶏冠山に到着。
山頂には何の表示も無いが大きな岩の上が頂点となっている。
山頂からは少し木立にさえぎられるが甲武信ヶ岳と木賊山が正面に見える。
ここで、10分ほど展望を楽しみ下山開始。
下山は、来た道をそのまま引き返すだけだ。
途中、チンネのコルで小休止を入れ、山頂から鶏冠谷出合まで2時間半ほどで下山。
出合で小休止の後、西沢渓谷駐車場までのんびり戻る。
今日の温泉は色々まよったが、帰りの通り道沿いにあるはやぶさ温泉にした。
ここは2度目となるが、かけ流しの質の良い温泉が魅力的でゆっくりくつろいで帰路につく。