中山道は日本橋から京都三条大橋まで約百三十五里二町(約534㎞)の街道で、草津宿で東海道と合流する草津宿まで67宿となる木曽路を通る街道ですが、東海道にはない趣きを持っているため、この歩き旅も見所では出来るだけのんびりゆっくり楽しんで行きたいと思っています。
それでは初日の江戸日本橋から板橋宿そして、埼玉県の蕨宿までの歩き旅スタートです。
日本橋は1604年(慶長9年)に東海道、日光街道、奥州街道、中山道、甲州街道の五つの街道の起点として定められて以降、脈々とその歴史を担ってきた。
現在の橋は、明治44年に開通したアーチ型の石橋で、橋の上には高速道路が跨いでいます。
この景観が美観を損ねるという観点から高架道路を地下に移設して整備しなおす構想があるようですが、財政面のことを思うともろ手を挙げて賛成ということにはならない。
この橋の中央が国内諸街道の起点と定められ、ここに日本国道路元標が埋め込まれています。
日本橋界隈には歴史的な建造物が多く、少し寄り道をしてまずこの日本銀行本店に立ち寄りました。
いかにも重厚なこの建物は東京駅と同じ、辰野金吾の設計と云うことでバロック調の美しい建物が目を引きます。
そして日銀の隣にはこの三井本館がある。
昭和4年(1929)に竣工したこの建物も重要文化財に指定されている建物で、荘厳な雰囲気が漂っています。
三井本館の前は三越本店です。
早朝は人通りも少なく写真も撮り易い。
この付近に来るのは初めてですので、すべてが物珍しいものでした。
中山道に戻り少し歩くと神田駅のガードをくぐります。
この手の鉄骨がむき出しになった建造物は最近見かけたことが無かったので、懐かしい思いと同時になにか美しさを感じました。
最初の立寄りスポットは神田明神です。
東京大学のこの敷地は加賀藩前田家の上屋敷ということで、この朱塗りの門は 加賀藩主前田斉泰(なりやす)が、文政10年(1827)に11代将軍徳川家斉の娘溶姫を正室に迎えた際に建立された御守殿門ということだ。
通称赤門と呼ばれ親しまれている国指定の重要文化財。
赤門をくぐりキャンバス内の建造物を見学。
ここだけではないのでしょうが、アーチ状の柱の連なりは美しいものでした。
巣鴨駅を過ぎるとすぐ地蔵通商店街のアーケードをくぐっていくことになるが、ここに入ると急に人通りが増え活気が溢れた街並みになる。
とげぬき地蔵として有名な高岩寺も多くの参拝者が訪れていた。
洗い観音も有名ですから、お参りにも長い列が出来ていました。
ここが亀の子たわし西尾商店の社屋です。
最近はたわしを使っている家庭は少ないかも知れないが、年配者には馴染み深いものです。
今日は休みのため、内を見ることは出来ませんが、昔の社屋が今も大切に使われているなんてすばらしいと思います。
喜多方屋でラーメン昼食後、近くの広場の前に設置してある板橋宿案内板を見る。
江戸時代はこの付近に加賀藩下屋敷があり、前田家の参勤交代途中の休息や狩猟、散策などに使われていたということだ。
そんな関係から板橋区と金沢市は「有効交流都市協定」を結んで様々な交流があるということが書かれいる。
板橋の名前の由来になっている板橋に到着。
この橋は石神井川にかかる橋で、昭和47年に架けられということですが、昔は、大きな弧を描いた木製の太鼓橋だったそうです。
ここで日本橋から2里25丁33間(10キロ642メートル)になります。
街道沿いになぜここにあるのかわかりませんが、こんな布袋様?の石像がありました。
素朴な印象がすばらしい。
中山道第3番目の志村一里塚に到着です。
ここは楠の木の塚ですが、楠は代替わりするも街道の両側に一対で残っている。
1922年(大正11)に国の史跡に指定された。
清水坂の民家の前に古い庚申塔と大山道ねりま川こへみちの道標がある。
庚申塔の左面には是より冨士山大山道とあり、練馬・柳沢・府中への距離も示している道標にもなっている。
八代将軍徳川吉宗がこの辺りで鷹狩りをした際、大善寺境内に湧く清水を称賛し、本尊である薬師如来を清水薬師と名付けたということで、ここを板橋区が薬師の泉庭園として整備し解放した。
その泉がこれで、中山道を通る旅人も喉も潤していたようです。
いよいよ戸田橋で荒川を渡り蕨宿へ向かう。
出発からここまで、丁度5時間半でした。
国道17号から中山道の旧道に入る入口に蕨宿の木製のモニュメントが出迎えてくれる。
歴史民俗資料館の分館に立ち寄りました。
ここは明治時代に織物の買継商をしていた家をそのまま利用し、分館として無料公開されています。
建物は、木造平屋寄棟造り。
内部も見学することが出来ます。
本日最後の見学ポイントとして歴史民俗資料館に入ろうとしましたが、あいにく空調設備改修工事中のため臨時休館になっており見学できませんでした。
次回はこの資料館を皮切りに再開ということで、本日はここで埼京線戸田駅に向かい帰路につきました。
中山道歩き旅初日を終了し、事前に調査しなかったために余計な歩きをしてしまったのが、六義園(りくぎえん)の見学をするつもりで立ち寄ろうとしたことです。
まず六義園の入口が北側にしかなく、しかも入園料が必要な公園であったこと。
このことを認識していれば立ち寄ることは考えませんでしたが、成行きの歩き旅でももう少し調べておけば良かったと反省しました。
今回はそんなこともあり無駄な歩きをしてしまいましたが、所要時間6時間55分、GPS記録距離24.8Kmの歩き旅でした。