飛越(ひえつ)新道で太郎平小屋に入り1泊、そして雲ノ平を経て水晶小屋にて2泊目
水晶小屋から水晶岳を往復した後鷲羽岳へ登り、三俣蓮華岳を経て黒部五郎小舎にて3泊目
最終日に黒部五郎岳へ登り飛越トンネル登山口に戻る3泊4日の周遊コース
地図はガーミンGPSのデータをGoogle Earthに乗せて作成したもの
1日目 2010/8/8(日)
コースタイム (行動時間 8時間)単独
飛越トンネル8:10-寺地山11:10-北ノ俣避難小屋11:55-北ノ俣岳分岐14:40~14:55-太郎平小屋16:10
昨年、薬師岳へ登るために折立へ向かう際この飛越トンネルを通ったが、神奈川の自宅からここに到着するまでの所要時間はその時とほとんど同じ4時間半で、今回も計画よりやや早めの到着であった。
駐車中の車は15台ほどだったが、今から登る登山者は他に一組のみだ。
草刈を行ったばかりの整備された登山道を登り始め最初のチェックポイントである神岡新道との分岐地点を目指したが、結局 分岐点を確認できないまま、小さな湿地の中にある鏡池(左)に着いてしまった。
登山口から2時間35分でほぼコースタイム通りだ。
(下山時に確認したら神岡新道との分岐点には振り返らないと分からない場所に案内板が設置してあった)
寺地山のピークを越えると湿地帯の規模も次第に大きくなり色々な花も目に付くようになる。
避難小屋は写真の登山道から右に少し外れた林の中にあり、丁度この付近から開けた尾根には木道が整備され気持ち良く歩くことができる。
少し登ると周囲には小さな池塘も沢山見ることもでき想定外の美しい景色となる。
ただ、ここから少し登ると、登山道はあちこちで深くえぐり取られて実質的に歩くことが出来ず、道の左右を行き来しながらのため歩きずらいことこの上ない。
北ノ俣岳からの稜線到着14:40。
登山口から丁度6時間30分だ。
途中、池塘が点在していた辺りで一度おにぎりを食べたが、再度ここで昼食とする。
北ノ俣岳の山頂も緩やかな道を登れは、もう一息という地点だ。
ここから太郎平小屋まではハクサンイチゲなどのお花畑を見ながらのんびり下山
正面は薬師岳だ。
分岐から1時間ほどで大きな太郎平小屋が見えてくる。
小屋着16:10
飛越トンネル登山口から丁度8時間を要した。
2日目 2010/8/9(月)
コースタイム (行動時間 9時間40分)
太郎平小屋4:40-左俣出会5:30-薬師沢小屋6:35~6:45-雲ノ平山荘10:20-祖父岳12:10-岩苔乗越12:50~12:55-水晶小屋14:20
今日は水晶小屋までの予定で行動時間が約9時間と長くなるため、朝食はお弁当にしてもらい昨晩受取ったが、朝はカップ麺にて簡単に済ませ小屋を4時40分に出発。
空は雲で覆われているためまだ暗く、ヘッドランプの光を頼りに歩き始める。
それでも小屋から20分もするとヘッドランプもなしでも歩けるようになり薬師小屋へ向かって整備された木道を下る。
途中中俣に架かる橋を2つ越え最後に大きく下ると左の薬師沢小屋に到着。
ここには、登山客だけでなく渓流で釣りを楽しむ人もいた。
薬師沢小屋から雲ノ平の末端まで大きな岩がゴロゴロした急な登りとなるので、ペースを崩さないよう意識して登ると標高差400mも案外疲れずに登れ、木道の末端に到着する。
木道の道となってからは周囲の景色を楽しみながら歩くとすぐアラスカ庭園と命名された展望の良い場所にでる。
このアラスカ庭園付近からは黒部五郎岳が、そして左の奥には笠ケ岳も顔を出している。
雲ノ平山荘は丁度リニューアルオープンの前日で、小屋には寄らなかったが風景にマッチしたすばらしい山小屋となっている。
スイス庭園は少し脇道に外れた地点にあるが、ここから水晶岳が正面に見える。
雲ノ平の木道散策を終え、祖父岳への分岐にて小休止し軽く食事の後 祖父岳山頂まで30分ほどの登りで12:10着。
正面に鷲羽岳と左手のワリモ岳がもう目前だ。
祖父岳から岩苔乗越までは下りでここで小休止したあと水晶小屋までは残り1ピッチとなったが疲労もありペースが落ち小屋までが非常に遠く感じる。
水晶小屋の手前から振り返るとガスに隠れたワリモ岳の奥に見える鷲羽岳が綺麗だ。
水晶小屋着14:20。
太郎平小屋から9時間40分だった。
小屋で休憩したあと小屋の上のピークからシルエットの水晶岳を見る。
3日目 2010/8/10(火)
コースタイム (行動時間 8時間20分)単独
水晶小屋5:45-水晶岳6:25~6:35-水晶小屋7:10~7:20-ワリモ岳8:20-鷲羽岳8:50~9:30-三俣山荘10:25~10:55-三俣蓮華岳12:10~12:25-黒部五郎小舎13:55
小さな小屋は満員の客で布団1枚に2人、お互いに逆向きに寝て何とか夜を過ごす。
昨晩の宿泊者数は54名とのことであったが、食堂もすべて使って客の収容をした結果だ。
今日も天気はまずまずで、朝食前に小屋前から朝日をあびる鷲羽岳、ワリモ岳、笠ヶ岳(奥) のすばらしい景色を堪能。
朝食後、ザックに必要な荷物を詰めて水晶岳に向け5:45出発。
山頂付近には雲が広がり初めているが・・・・
丁度40分で山頂着。時々ガスがかかるが、まだ展望は得られる。
北側には赤牛岳の奥に黒部湖も見える。
山頂で10分ほどすばらしい一時を過ごしたあとのんびり小屋に向けて下山。
小屋の近くまで戻るとホシガラスに出会う。
しばらくハイマツの実をついばんでいた。
小屋に戻った後、荷物をパッキングし直し早速鷲羽岳へ向け出発。
天気が良いと、この付近の稜線も最高の散歩道になる。
高天原に続く谷筋の奥には薬師岳の山塊が
ワリモ岳への登りに入る頃から次第に雲行きが怪しくなる。
鷲羽岳の山頂に着いた時にはすっかりガスに覆われ何も見えない。
残念!
それでも、山頂で40分ほどねばっていたら眼下に鷲羽池を見ることができた。
本来、奥に槍ヶ岳が見えるはずだが、そこまでは期待できそうもないためこれを良しとし下山にかかる。
下り始めるとまもなく三俣山荘と雪渓のそばのテント場が見えてくる。
山頂からほぼ1時間で三俣山荘到着。
丁度昼時のため、ここで簡単に昼食とする。
三俣山荘から三俣蓮華岳まで1時間15分、コースタイムより大分遅れてしまった。
三俣蓮華岳山頂は展望も利かず、小休止のあと黒部五郎小舎に向け下山。
山頂から25分ほどで黒部乗越付近に着くと、ガスが切れ黒部源流のカールが少し望めた。
黒部乗越からの稜線近くではコバイケイソウなどのお花畑の中を進むが・・・
時折り雨が強くなりのんびり花を見ることもできない。
このあと、黒部五郎小舎へは林の中を大きく下るが、小屋に着く前にまた大粒の雨となり急ぎ小屋に飛び込む。
小屋着13:55。
4日目 2010/8/11(水)
コースタイム (行動時間 9時間45分)
黒部五郎小舎5:00-黒部五郎岳肩7:10-黒部五郎岳7:20~7:25-黒部五郎岳肩7:35-赤木岳9:20-北ノ俣岳10:15-神岡新道分岐10:20~10:35(昼食)-北ノ俣避難小屋11:35-寺地山12:25-飛越トンネル14:45
昨日の雨は一旦上がっているが、台風14号の影響か山にはガスがかかり雨は避けられそうもない空模様だ。
今日は、雨の確率は午後が高くなるため早目の出発とする。
歩き始めて30分ほど、カールを登っていると雷鳥を発見、今回の山行で初めて出会いだ。
カールから稜線へ登り始めるあたりには大きな岩が点在する庭園のような場所がある。
雨模様なのが残念だ。
黒部五郎岳の肩に7:10着
北ノ俣岳への分岐はこの肩にあるのでここにザックを置き、空身で山頂まで10分ほどかけて行く。
7:20着 黒部五郎小舎から2時間20分だった。
雨はやんでいたが、もちろん視界はないためすぐ下山。
肩に戻ったあと次の目標は北ノ俣岳だが、途中に赤木岳というピークがあるので、まず 赤木岳を目指す。
時折雨が降る中 稜線上を歩くこと1時間45分で赤木岳のピーク直下に到着。ここで、小休止し、最後の北ノ俣岳へ。
赤木岳からおよそ1時間、いくつかピークを超えようやく山頂着。
もちろん、残念だがここでも展望は得られないのでそのまま通過。
山頂から5分ほど下ると見覚えのある神岡新道への分岐があった。
ここからはひたすら長い下りとなるので、一旦ここで簡単な昼食をとりながら休憩。
神岡新道に入ってからは他の登山者とは誰にも会わず少しさびしすぎる思いを抱きながらひたすら下山。
寺地山を過ぎてから、登ってくるときに見落としてしまった神岡新道と飛越新道の分岐点に中央の木に取付けられた案内板があった。(右が飛越トンネルへ 左が打保(うつぼ)への神岡新道)
神岡新道の分岐点からコースタイムど通りの4時間10分だった。
帰路、立寄り湯として選んだのは奥飛騨温泉郷の"ひらゆの森"だ。広い露天風呂でゆっくりくつろいだあとレストランでお蕎麦を食べてからのんびり帰路につく。
最後に今回の山行で出合った高山植物をまとめてみました。
最終日が雨模様で黒部五郎のカールの花々を楽しめなかったのは残念ですが、それでも沢山の高山植物との出会いがありました。
イワイチョウ イワショウブ ハクサンイチゲ キヌガサソウ
ワタスゲ ヨツバシオガマ チングルマ シナノオトギリ
ハクサンフウロ ハクサンシャクナゲ シナノキンバイ ミヤマリンドウ
イワギキョウ タカネツメクサ イブキジャコウソウ ウサギギク