コースタイム
4月28日 (行動時間 6時間20分) 単独
中央5:16-バス-荒川登山口6:07~:10-小杉谷6:50-大株歩道入口8:20~:35-ウイルソン株9:00~9:07-大王杉9:50-縄文杉10:30~11:20(昼食)-新高塚小屋12:30
安房の宿に届けられた弁当で朝食を済ませ、ヘッドランプの明かりをたよりに宿を出発。宮之浦からの早朝のバスはほぼ満席で中央バス停到着。バスは安房で満員になったが、以降の客は後続の臨時バスで対応するようだ。荒川登山口に近づくと道の待避エリアにも車が駐車されているような状態でバス同士のすれ違いも苦労する状況だ。ここも一般車の規制をすべきと思う。 登山口は人であふれており、今また到着した我々のバスと後続のバスからも続々と客がはき出される。のんびりしていると歩くのにも支障が出ると思い早々に出発する。
しばらくは小杉谷沿いにトロッコ軌道の上を歩くことになるが、部分的に木道として整備されているため、そんなに歩きづらい訳ではなく時々辺りの景色も楽しむことが出来る。
小杉谷は神社や小中学校まであった集落だったようだが、現在はその面影しかない。
楠川分れを過ぎ三代杉が道沿いに見られるが、三代の世代交代の様子ははっきり分らずあまり面白みがない印象だ。 1時間半で大株歩道入口到着、ここでトロッコ軌道の上を歩く歩道は終りとなり、いよいよ山道に入ることになるが、ここにはきれいな水洗トイレもあるので用を済ませた後、はしごを登り登山道に入る。
登山道とは云っても大株歩道と命名されているように至る所が木道で整備された道である。
ほどなく翁杉の巨木が現わる。
そしてあの有名なウイルソン株だ。株の中に入ってその大きさに改めて感動する。
巨木の森と云われるこの付近は名の付いた巨樹以外にも多くの特徴のある素晴らしい大木が点在しそれらが偉大な森を形作っている。ヒメシャラも見たことも無いほどの太さに成長したものがあり驚かされる。
いよいよ最後に縄文杉の登場だ、残念ながら専用の展望テラスの上から見るようになっているので、傍に近づき触れることは出来ないが、巨大な幹の太さはやはり感動的だ樹齢3000年くらいのようだが、およそ考えられないほどの長きに渡って生きている木の生命力に圧倒される。辺りは多くの観光客でごった返しているので、記念撮影ものんびりは出来ないが、私も他の人に手早く撮影していただいた。この縄文杉の傍に休憩所があるので、ここで持参の弁当でゆっくり昼食をとる。
食事の後、すぐ上の高塚小屋に着く。中は覗かなかったがコンクリート造りの陰湿なイメージの小屋だ。ここから上は登山者以外は入らないため急に人の数が減って静かな雰囲気となる。また登山道も普通の山道となりようやく山に入ったという感覚だ。
新高塚小屋は12時30分到着。まだ大分早い時間なので小屋の中はガラガラで1階に8名程度いるのみだ。私も早速部屋の奥に自分のスペースを確保し、外のベンチにて時間つぶしに入る。
しばらく休憩の後、散歩がてら第一展望台の方に登って見る。標高が高いせいか全体に樹高は低い森の雰囲気だ。ただ、この付近にも数は少ないが杉の巨木が見られる。また、木々の間に遠方の岩峰が望める、視界が開けていないのが残念だ。
小屋に戻り他の登山客と夕餉までのひと時を過ごす。たまたま傍にいた人たちは横浜、埼玉、千葉とすべて関東からの人だった。
この小屋周辺には屋久鹿が多くいて我々を恐れる風もなく近くに寄ってくる。全部で4頭はいるようだ。丹沢などで見かける鹿よりはかなり小型のためそう怖さはない。夕方から寒くなってきたので5時ごろ夕食を済ませ、大部早いが7時過ぎには就寝とする。この頃は小屋はほぼ満員となっていた。
4月29日 (行動時間 9時間30分)
コースタイム。
新高塚小屋発4:30-第2展望台5:20~5:25-平石6:10-焼野三叉路6:30-永田岳7:20~7:25-焼野三叉路8:10-宮之浦岳8:35~8:40-投石平10:08-黒味岳分岐10:30-黒味岳11:00~11:05-黒味岳分岐11:25-花之江河11:40-淀川小屋12:50-淀川入口13:30-紀元杉14:00 14:39発バス-中央バス停 民宿 いっぱち泊
4時前に小屋から抜け出し、屋外にて朝食をとる。月が出ており心配していた天気は大丈夫そうだ。予定通り早朝4:30出発。歩き始めて少ししてヘッドランプの光に動物の目が映し出され驚く、屋久鹿だ。第1展望台ではまだ暗く景色を展望することはできなかったが、
第2展望台では迫り出した岩場から夜明けの山々が確認できた。この後は稜線上の木はシャクナゲやアセビなどの低木となり斜面も笹原で覆われた美しい景色となる。
予定より1時間近く早く宮之浦岳直下の焼野分岐に着いたため、予定していなかった永田岳のピストンを行うことにした。
今まで前後に他の登山者がいたがこの永田岳へのルートは全く人の気配がなく、少し寂しくなるようなルートだが、辺りの景色は笹原で覆われた永田岳を奥に見ながらの美しいものだ。
途中の水場でのどを潤し、山頂まで丁度50分。他に誰もいないため三脚で記念撮影をし、少し辺りの景色を楽しむ。
遠くには永田の海も確認できる。
焼野三叉路に戻ったのが8時10分で丁度1時間40分かかったことになる。ここから宮之浦岳へはひと登りだ。
山頂着8時35分。天候もよく最高の景色だ。近くの山の頂は大きな岩を冠しているものが多く、緑の中に点在する白い岩のコントラストが素晴らしい。いつまでも山頂にいたい気持ちだがまだ先も長いため下山にかかる。
栗生岳のピークを過ぎると、翁(おきな)岳、安房岳、投石岳とそのピークは踏まず、西側をトラバースするように稜線近くを歩くがこの付近も非常に雰囲気のいい稜線だ。
投石平の水場を過ぎ少し登ると黒味の分岐だ。今日はバスの時間も気になるが欲張って黒味岳にも登ることにし、荷物を分岐に置いたままピストンをする。山頂まで30分、ここからは宮之浦岳もかなり遠くになってしまっているし、もう少しで雲の中にかくれそうだ。
花之江河まで下り少し休憩のあと予定したバスに乗るつもりで下山を急ぐ。どう云うわけかお腹はあまりすかないので紀元杉で食べるつもりで下ることとする。
淀川小屋12時50分、淀川入口13時30分、ここからは車道を紀元杉まで下る。
途中の道沿いにある川上杉もさりげなく立っているが立派だ。また、道端には小さな沢から豊かな水があちこちで流れ落ちている。
14:00紀元杉バス停に到着。少し下の紀元杉を見物に行くと丁度観光バスの団体が到着した所で、杉見学を一緒に行う。
観光客夫婦の写真を撮って、バス停に戻り昼食のドライカレーを手早く食べていると丁度バスが到着。車中の人となる。
今日一日天気にも恵まれ非常に充実した日になり大満足だ。